■ポチポチ観てました。以下覚え書き。

■7月7日(土)ポ ツドール「人間 失格」@三鷹芸術文化センター星のホール
こんなロマンチックな日にポ ツドールなんて観に行って、またケチョンケチョンにやられて参ってしまうんじゃないかと思ったけど、予想に反してうっかり感動してしまった。今までの終演後の「どーしてくれんのよ、この気まずさ」的な空気とは異なる、フッと気の抜けてしまうラスト。とはいえそれも、もうひとつの惨劇があったからこそであって(あの惨劇にポ ツドールらしさがギュッとつまってた)、ぬるく終わりのないダメさも十分恐ろしい。
私はポ ツドールに常連で出演されてる古澤 裕介さんがとても好きなんですが、彼の演じる役はいつもピュアで不器用で周りの人達からはぐれている。その彼が必死になにかを訴えようとする気持ちと、それを周囲からバカにしてしまう気持ち、そのどちらもが分かるような気がして、痛烈に叫ぶ彼を観ているとなんだか異常に愛おしい気持ちになる。
にしても、いつものリアル描写に加えてストーリーの上手さが際立ち、どんどん観やすくなっている、ポ ツドール。前半しばらく舞台上で一人の芝居が続くのだが、つなぐ会話がおもしろいのでまったく飽きなかった。その一人芝居をされてた岩瀬 亮さんて方、「はて、どこかで見たような・・・」とモヤモヤ気になっていたら、後になって領O2くん*1の映画に出ていた方と一致したのでかなり驚いた。あの「ホーモーじゃーないー!」って言ってたり、童貞の役をやっていた人だ。うへー、楽しみだな、いろいろこれから。

■それから。約1ヶ月の間に三度観たんだ、阿 佐ヶ谷スパイダー ス
6月13日(水)「日本の女」@下北沢スズナリ(映画上映)
6月26日(火)「少女とガソリン」@下北沢スズナリ(本公演)
7月2日(月)「はたらくおとこ」@下北沢スズナリ(映画上映)

思い出すと三作品通して残酷なお話ばかりだ。差別や裏切りを通して狂っていく人や、安易な動機で人を刺してしまう人など、やたらと血が飛び交っていた。(あまりたくさん使用するので海外から安い血のりを輸入しているらしい)それでも主のグロテスクさに嫌悪感はほとんど抱かない。それよりきっと、前半の徹底して笑える言葉の掛け合いと、ラストにかけて人間の本性がむき出しになるみじめさとのコントラストが絶妙に響くんだと思う。そうゆう時の阿佐スパの照明っていつも美しくて効果的だ。サーッと肌をなでられるような光にゾクッとする。
それと今さらでもないけれど、出演陣の演技のうまさ。あそこらへんのあの感じの(てきとうすぎる)役者さんって、ほんとすごく魅力的。(中村ま ことさんとか中 山祐一朗さんとか池 鉄さんとか松村さんとか…)
3作品の中ではやはり本公演の印象がダントツに強いけど、どれも良かった。特に「少女とガソリン」の、全員での気持ち高ぶる真っ赤なラストは忘れられないシーンだった。


公演中、スズナリも阿佐スパバージョン

■帰りがけ、ひたひた感動してるとスズナリ裏で休んでいる長塚さんを発見してしまったので、ええい!と勇気を出して話しかけたら、そりゃもう丁寧に対応してくれたもんで、あっという間に虜になったとさ。