■本は移動中など外で読むことが多いので文庫派と思ってきたけど、こないだ整理をしていたら家には断然単行本が多いことに気付いた。きっと見つけた時の嬉しさに勝てず、文庫本を待たずして買ってしまっている。きっと、ていうかそうだ。自分のことなのに人事めいたタチの悪さが嫌だな。とはいえ並べたときの楽しさも含めて、本として単行本のが魅力的なのは事実。

■今日は昼間の調べものの延長で引っかかった穂村 弘さんの本を買ってかえろうと思っていたのだが、会社を出たのが23時をまわってしまい「こりゃどこも本屋は閉まってるな」と諦めようとしたところ、ふと下北沢のあの異常ににぎやかな本屋なら…という思いが頭をもたげたので寄り道をした。
ヴィレッジ ヴァンガードは入った途端に集中力が散漫になるのであまり目的を持っていくところではない気がするが、今は私の物欲が急を要しているので話は別である。店に入り、センターにそびえる日本人作家の本棚を端から追うが見つからない。案の定、途中で高山なおみさんや甲斐みのりさんの本を見つけてニタニタ眺めていたら、これまた一層にぎやかなスカ調の「蛍の光」が流れてきたので慌てて店員を捕まえて在庫を尋ねた。しばらくして戻ってきたその店員は「僕、その本知ってるんですけど、こう白い表紙に黄色い文字ですよね。見たことはあるんですよ!」とからっぽの手を広げて力強く言い放った。「と、いいますと?」と出かかったが、お互い探せなかったことに違いはないので、礼を言い諦めて店を出た。
なんとなく「今日読まなくては!」という予感めいたものを感じてしまったので、実は結構残念だったが、きっと今日出会えないのだからそうゆうことなんだろう。

■ここのところ眠りが浅く、よく夢をみる。昨日また夢の中で私は死んだ。自分が死ぬ夢は数年前に初めて見てから、それからたまに見るようになってしまった。夢診断的には悪いことではないようだけど、あの夢を見たあとの胸がすくむ気分は少なくとも心臓に悪い。
ちょうどその日、悲惨なニュースを目にしてかなり衝撃を受けたので、その影響をまんまと反映させてしまったのだと思う。いやだ、いやだ、もうしばらく夢はみたくない。

■ある人に対してとてもひどく傷つけてしまうようなことをするからこんなことがおきるんだ、とも思う。思うがどうしようもできないので、台風が過ぎるのを待つように身を固くして閉じこもる。それは決して誰かに助け舟を求めているのではなく、自分の呼吸が合うのを待つしかない。


表情って眉毛だよなとつくづく思う。