■新宿の朝日カルチャーセンターへ友部 正人さんと宮沢 章夫さんの対談「新しい物語をつくろう」の公開講座に行ってきた。このお二人の夢のような共演に期待せざるを得ず、ずっと薄笑いだったせいか私の両隣が最後までぽっかり空いていたのは残念だったが、なんともおもしろい貴重な時間だった。ものづくりに対してお二人とも「これ、言葉(詩)にしたらおもしろいんじゃないか」というきっかけから始められるそうだが、友部さんの詩に対して宮沢さんが「猟奇的だ」とおっしゃっると「病気的?」とまっすぐな目で即答していたのがおかしかった。
他に、別役 実さんや岩松 了さん、太田 省吾さんら劇作家のものづくりエピソードを語られていて、特に太田さんの「しゃべらない戯曲」の話が興味深かった。台本にセリフはあるのに、舞台上で話すのはそのごく一部で、「ここは言葉にしない」「ここは言葉にする」と声に発するものと気持ち上のものとに分けられてしまうらしい。そして中には何も言葉を発しない演目もあるそうだ。人の考えていることをすべて声に出すなんて不自然だ、という考えは分かる気がするのだが、舞台として大丈夫なのだろうか。私だったらきっとわからないままなのではないのだろうか。
そんなわけで宮沢さんの次の舞台ニュータウ ン入口はとても楽しみだが、みすみす観に行ってはまたなにも得られない気がした。それだけはどうか避けたい。
友部さんはこの日「あいてるドアから失礼しますよ」「こわれてしまった一日」「楕円の日の丸」の3曲を唄われた。私は「こわれてしまった一日」の、

世界中の時計を一時間戻し あなたはベッドにもぐりこむ
おやすみこわれてしまった一日と 遠くからでも見える人

という最後の詩が特に好きなので、間近で、生で聴けてとても嬉しかった。
友部さんのナチュラルで不可解な歌はなんて魅力的なんだろう。

■ほっこりした気分で新宿を後にし、代田橋CHUBBYへ向かう。友人のASHITAKARA*1のライブはまたも逃してしまったが、髪型を変えたばかりのCちゃんに久しぶりに会えたのと、楽しそうな友人にたくさん会えたので良かった。
今度はちゃんとライブを観よう。久しぶりにCエちゃんのメロディカ姿が観たい。