■父から電話があり「お父さん、今どこだと思う?」と聞かれたが、その質問するときはいつも同じ答えなので、「羽田」と答えたらやっぱり「ピンポーン!」と言われた。
夜も10時をまわっていたので「随分遅いね」と言うと、名古屋→札幌間の飛行機が整備不良かなんかで羽田に降りてしまったらしい。航空会社からは1万円渡されて「はいこれで今晩どっかで過ごしてね」ということだったらしいが、そのごたごたですっかり疲れ、途方に暮れた様子だったので一応「うち来る?」と尋ねたら「うーん…」と少し迷ってから「連れが19人いるんだけど、」と言い出したので慌てて電話を切った。私の狭い部屋に大人の男性が20人も集う様を想像してしばらく笑ったが、正気だとしたら怖すぎる。
■その2日後、またも父から電話があり、今度は広島の帰りだそうで「今どこ?お土産あるけど取りにこない?」と言われたので「おみやげなに?」と聞いたら「やきそば」と答えた。やきそば欲しさに羽田に向かうと思われたか。ボケだしてるのかもしれないが、最近の父はおもしろい。

■翌日、母からは「昨日出張から帰ってくるはずのお父さんがまだ帰って来ないんだけどなんか連絡ない?」とメールが来てたが、日付を確認して毎年恒例の度が過ぎるジョークだと判断し「昨日話したよ、悪いけど今年は騙されないよ」と返した。とはいえ事実とシンクロしていたので「もしかして」と少し心配していたが(なんて綺麗な心の持ち主)その後ぱったりメールが止まったのでやはり母の今年のネタだったのだろう。
しばらくして、負け惜しみのように「姉が札幌で万引きして捕まった」というメールが来たが、それは去年のネタなのでさすがに二度は引っかからず。でも去年はまるごと信じてショックで泣きそうになったんですけど。しかも母は姉にも同様のメール(私が万引きで捕まった内容)を送り、娘をダブルではめて涙流して笑っていた。すごい人だ。
この時期になるといつも思い出す。風物詩のような親の話。