■その後、M美と別れ、ひとり下北へ。駅前劇場で庭劇団ペニノの「笑顔の砦」を観る。前作が、なんだこれは!的によかったので(ジャズバンドの演奏の中、女医たちがひたすらに大男を手術している、セリフらしいセリフはなく最後に大男の腹の中から血まみれのマメ山田が出てきて終わるというもの)、比べてしまうと今回のストーリーは地味だったが、時間をかけて丁寧にゆっくり浮き出る主人公の人物像と、相反して何もわからないままの隣の住民との生活が平行して進んでいく妙が、なんともいえない見応えだった。
終演後、出演されてたMさんに挨拶をして少し話をした。彼女の演技は、舞台上でとても重要な「陰」を放っていて、その暗さは観ていてちょっと怖いほどだったが、実際に話し始めると「なんだかいっぱい脱いじゃってごめんなさいねー」と笑い飛ばすキュートな女性だった。短い時間の中で月並みなことしか言えなかったが、ぜひまた劇場で彼女に会いたい。
久しぶりの観劇。おもしろかったなあ。次はなにを観ようかな。